12月21日から23日まで、韓国の仁川国際空港・仁川港を中心に視察してきました。
仁川国際空港は2001年3月に完成した24時間空港です。
国策として空港の建設・整備が行われ(完成時には、面積で成田や羽田の約4倍となります)、空港間競争を意識した安い着陸料が設定されています(客1人あたりの着陸料は、成田が1615円、関西が2046円であるのに対し、仁川はわずか544円です)。
また、空港のハブ化に努めて機能を高めるとともに、近くにある仁川港とシーアンドエアーサービス(船と飛行機を相互利用した運搬サービス)などで連携を強化して運搬機能の向上に努めています。2006年には成田空港を抜いて国際貨物取扱量は世界2位となりました。
空港の周辺地域にホテルやレジャー施設などを建設して観光面にも力を注いでいます。
韓国政府は、仁川広域市の3地区を経済自由区に指定し、規制緩和や減免税などの方法を採っており、外資を積極的に誘致しています。
我が国と同様に、少子高齢化など多くの問題を抱えている韓国ですが、仁川地域の発展と成功に大きな自身を持ち、国を挙げて思い切って臨んでいる姿勢が印象的でした。
閉塞感に覆われている我が国は、韓国からたくさん学ぶべきことがあります。
特に、成田空港、幕張都心、アクアライン、各港など、まだまだ活用できる財産を持っている我が千葉県は、韓国を参考に積極的な成長戦略を模索・検討すべきです。
韓国のガイドさんの話が印象的でした。
「仁川地域の開発に私は反対である。しかし、大統領が自分の信念に従って決断した政策であるから仕方がない。ただし、その結果責任は、次の選挙で大統領を支持した議員にとらせる。 」と。
任期を5年1回限りとした大統領制を採用している韓国ならではの話です。
しかし、政治システムは違えど、今、我が国は、リーダーが思い切った決断を採ることが求められている時期にあります。しかも急がなければなりません。
生産年齢人口の減少で人口構造的に先細りが明らかな我が国。
社会保障を維持するために痛みを伴う合理化・適正化は避けられません。
財政規律を正すことも同時に必要です。
増税が必要になるでしょう。
ただ、根本的解決のためには、歳入を増やさなければならない、つまり、国の成長と発展が不可欠であることは、将来の人口構造から明らかです。
増税の議論は大事。合理化・適正化の議論も必要です。
しかし、それらと同時に、あるいは先行して、具体的成長戦略と、各自治体がその戦略を地域の実情に応じてそれぞれ柔軟に実行できる権限及び財源確保の議論をしなければなりません。国は方向性を定め、障害となる法律を制定・改正し、必要があれば規制緩和の法律を設ける。あとは各自治体に委ねるべきです。
最後に、2012年、我が国において、1人でも多くのリーダー・首長が、各地域の特性を活かした成長戦略を策定・実行し、少しずつ希望の光を灯していくことを切に願うとともに、私は、自身ができることを全うし、少しでも皆様のお役に立つことをお誓い致します。
※写真:仁川国際空港公社の打ち合わせ室にて
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